高齢ドライバーの事故が増えています!

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去年の山梨県の交通事故件数は1986件で去年の同じ時期と比べ64件減少しています。

交通死亡事故件数も25件発生しましたが去年の同じ時期と比べると6件下回っています。

交通事故件数は最多だった2003年の7696件と比べると約75%減少しており、県警は車の安全性能向上や街頭誘導などで交通マナーが改善した結果と分析しています。

一方、高齢者が関わる交通事故はなかなか減らない状況です。車社会の山梨県では高齢者の免許返納は生活に大きなダメージを与えかねません。

今回は高齢者が交通事故を起こさない、巻き込まれないための注意点を紹介していきますので身近に高齢者の方がいらっしゃる方は交通事故を防ぐために情報を共有してみてください。

 

高齢ドライバーに多い事故の特徴

高齢ドライバーが起こした死傷事故の内容をみると車対車の衝突事故が8割を占め、その中でも「出会い頭」が最も多く、「追突」「右左折時」のケースが続きます。死亡事故発生率をみると車が単独で起こした事故が多く発生しており、中でも「路外逸脱」「工作物衝突」による死亡事故が目立ちます。では、各ケース別に高齢ドライバーが起こしやすい事故の特性を見ていきましょう。

 

出合い頭と右左折時

交差点では、信号の有無にかかわらず右折時に対向車と衝突したり、直進時に左右からくる車と衝突したりしています。加齢に伴う動体視力の衰えにより対向車の速度や距離を見誤ったり、視野が狭くなり対向車や信号機、標識を見落としたりして、交差点に進入し衝突するケースがみられます。また、「慣れた道だから」「車が左右から走ってくるとは思わなかった」など、ベテランドライバーにありがちな油断や習慣化された運転により、気付かないうちに危険な状況に陥って、事故が発生しています。

 

追突事故

停止するときに前の車との距離を読み間違えたり、前の車の停止に気付かなかったり、前の車が動いたと勘違いして発進したりするなど、ちょっとした認知や判断の誤りで追突が発生しています。一方、慌ててブレーキとアクセルのペダルを踏み間違えたりペダルを踏む力が弱く止まりきれなかったりするなど、運転操作の誤りで追突するケースもみられます。

 

路外逸脱と工作物衝突、正面衝突

路外逸脱や工作物衝突、正面衝突は、カーブに続き直線道路で事故が多く発生しています。カーブに気付かなかったり、カーブの大きさを見誤ったりしているのに加え、ブレーキ操作の遅れやハンドルの切り損ねなど、運転操作の誤りによる要因が重なり、曲がりきれずに事故が起きています。路外逸脱では、側溝脱輪や横転、田畑や水路などへの転落、電柱や防護柵、建物などへの衝突による重大事故がみられます。また、反対車線に逸脱し対向車と正面衝突する死亡事故も発生しています。

 

交通事故に巻き込まれないようにするには

交通事故による歩行中の死者の多くは、65歳以上の高齢者です。高齢者の歩行中の死亡事故の大半は横断中に発生しています。その主な要因として次のような高齢者の行動特性が挙げられます。

高齢者は視力が低下し、耳も遠くなって車の音も聞こえないことがあるため、車の接近に気づきにくい。特に暮時にヘッドライトを点灯していない車は気づきにくい。

歩く速度が遅いため、青信号で横断を始めても途中で赤信号になることがある。

・振り返るなどの動作が困難な人もいるので、道路の状況を確認せずに横断してくることがある。

・車のほうが止まってくれると考えて横断してくることがある。

 

高齢者を事故から守るためには以上のことを考えながら運転しなくてはなりません。

特に気をつけなければならない点を5つ紹介していきたいと思います。

・自車線側だけでなく、対向車線側の道路脇にも目を向けて、横断しそうな高齢者がいないかどうかを確認しましょう。特に対向車がある場合は、高齢者が隠されてしまい発見が遅れることがありますから、早めの発見に努めましょう。

・道路脇に高齢者を見かけたら、横断してくるかもしれないと考えスピードを落とし、高齢者の動きに注意しましょう。

・高齢者が横断を始めたときには、横断歩道のない場所でも一時停止や徐行をして先に横断させるようにしましよう。

・薄暮時は車に気づきにくいので、早めにヘッドライトを点灯して自車を目立たせましょう。

・高齢者は信号が変わっても横断しきれない場合がありますから、青に変わって先頭車両で発進していくときは、必ず渡り遅れた高齢者がいないかどうかを確認しましょう。

 

高齢者の方は動く赤信号だと思い注意深く行動することが大切です。     

  

次に高齢者が安全に運転を続けるために注意するべきポイントをみていきたいと思います。

 

前の車の動きをよく見て、ゆっくりと停止し、一拍おいて発進しましょう。

前の車に追従走行しているときは、車間距離を十分にとるのはもちろんのこと、前の車の動きをよく見て運転しましょう。前の車に続いて停止するときは、前の車が速度を緩めたら、足をブレーキペダルへ移し、速度を落として車間距離を保ち、前の車が停止した後にゆっくりと停止できるようにしましょう。発進するときは、前の車が発進してから一拍おいて、ゆっくりと発進しましょう。

「かもしれない」と考え、適切な判断・操作を行えるようにしましょう

目の前で展開される状況を、瞬時に把握し判断できる情報処理能力は、加齢とともに衰え、他車の速度やカーブの大きさなどを見誤ったり、ペダルを踏み間違えたりしやすくなると言われています。「このまま右折すると対向車とぶつかるかもしれない」「思っているよりカーブはきついかもしれない」などあらゆる可能性を考え、「対向車が過ぎるまで待とう」「カーブ手前で十分に速度を落とそう」など適切な判断・操作を行えるように心構えをしておきましょう。

 

定期的に眼科検診を受けましょう

視野の狭まりや欠損は緑内障の可能性があり、自覚症状が無い場合もあります。視力検査はもちろんのこと、定期的に眼底検査を含む眼科検診を受け、問題があれば早期に治療を行いましょう。

 

車を買い替えるときは、自動ブレーキ・ペダル踏み間違い時加速抑制装置等、先進技術搭載の車を検討しましょう

車の先進技術は日々進化しており、ドライバーの運転をサポートし、安全を支援するシステムを搭載した車が実用化されています。中でも、自動ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置等を搭載している車(サポカーS)は、高齢ドライバーにお勧めできる車です。自治体や自動車メーカーなどが、サポカーSをはじめ先進技術搭載の車の体験試乗会を開催しているところもあります。まずは試乗してみて良さを体感し、買い替えのときに検討しましょう。軽自動車やコンパクトカーでも、サポカーS機能もしくは同等の機能が付いている車があります。

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